兵庫県では、平成27年度より住民協働による小水力発電復活プロジェクト推進事業を開始
され、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、地域活性化を推進する地域団体等による
小水力発電、小規模バイオマス発電、小型風力発電等の取り組みを支援する制度を設け
られました。
江戸時代には動力として利用されていた自然エネルギーを、電力として復活させることで、
クリーンなエネルギーの利用、 普及 促進を目指したいと考え、六甲川水車新田小水力発電
所を設置しました。都会を流れる河川域での小水力発電設備設置は珍しく、都市型小水力
発電とも言え、神戸市内では初の試みです。
@小水力発電の事業化検討(平成28年度〜平成29年度)
勉強会、先進地視察、ポテンシャル調査、地権者調査等を実施し事業化可能性について
検討しました。
地権者の特定に大変な苦労をしましたが、発電ポテンシャルはあることが分かりました。
A国、県、市の関連許認可機関との協議(平成29年度〜30年度)
取水場所、配管ルート、水車・発電機設置場所については様々な法的規制があり難航
しました。
B事業化に必要な基本調査と概略設計(平成30年度〜31年度)
流況調査、測量調査、水生物調査、水車・発電機選定調査を実施し、事業化計画を策定
しました。
取水場所、配管ルート、水車・発電機設置場所を当初より変更し、技術的問題や法的
規制、環境面での影響をクリアーしました。
C小水力発電設備活用構想づくり(平成31年度)
小水力発電の設置をきっかけにして、水車新田地域全体の取組みを進めることで、地域
づくりの効果を高めるために活用構想づくりをしました。また、環境学習、地域の歴史
教育への活用に向けて行政、教育関連機関への働きかけを行い、今後の協力の同意を
得ました。
D自然エネルギーの普及・啓発活動(平成31年度)
近隣の地域住民向けセミナー&説明会を開催することで、地域活性化をめざしている
地元のグループメンバーとのつながりができ、再エネ普及に対する賛同意志の確認が
できました。
E法的規制に対する許可取得(令和2年度)
以下の許可を取得しました。
・河川域に取水設備、導水管を設置する事についての占用許可
・河川護岸壁を放流部が横断する事についての占用許可
・砂防指定地域内での小水力発電設備を設置するための工事許可
・風致地区内での小水力発電設備を設置するための工事許可
・固定価格買取制度に基づく売電のための事業計画認定
F発電設備設置(令和2年度)
令和2年5月より、測量調査、基礎・配管設計を実施し、令和2年11月より現地施工
を開始し、令和3年3月に発電設備設置が完了し、4月より発電事業を開始しました。
更に、6月より地域新電力の「コープでんき」経由で電力の地産地消もスタートしました。
G発電設備設置敷地内での里山林整備への取り組み(令和2年度〜) 設備を設置した敷地
は1000uを超える広さの敷地で、地目は山林です。30年近く手入れされておらず雑
木林状態になっている状態です。小水力発電設備を設置するにあたり、配管が通過する山
林を里山林として維持・管理し、有効活用する方法についての検討を開始しています。
第一弾として、設置工事で、設備を設置する場所(配管ルート、ヘッドタンク、水車・発
電機、作業用エリア等)の木を伐採することで出た木の幹を原木としてキノコ栽培を試行
しました。
(ひらたけの菌打ち作業) (椎茸の菌打ち作業)
はじめに・ご挨拶
私たち、特定非営利活動法人PVネット兵庫グローバルサービスは、自然エネルギーの
普及啓発に関する事業を行い、地球環境温暖化防止に寄与する事を目的として活動して
います。
現在、六甲川水車新田での小水力発電プロジェクトを推進中です。
このプロジェクトで実現したいこと
小水力発電によるクリーンな電力が利用されることで、地球温暖化防止 ・エネルギー
自給率向上の面から、市民レベルで脱炭素地域づくりに協力し、地域資源が有効活用
されることを目指しています。
私たちの地域のご紹介
神戸市灘区水車新田を流れる六甲川では、江戸時代には 25 基の水車が稼働し、菜種
油の搾油、小麦の製粉、灘の酒造用の米をつく動力として活用されていました。
また近隣には、平成28年3月に神戸市により 文化財として登録された大土神社があり
ます。
日本政府は、2050年温暖化ガス排出量実質ゼロを目指すと宣言しました。温暖化対策・エネルギー
問題の面からも、古くて新しい再生可能エネルギーである小水力発電のポテンシャルに目を向けて、
市民レベルで脱炭素地域づくりに貢献していきたいと考えています。
取水口から水圧管を経由して水車・発電機設置までの土地は発電機設置・活用構想に賛同して
いただいた旭化成株式会社から無償譲渡されたもので、10,000uを越す森林となっており、現状は
人手の入らぬ荒れた状態で防災上の問題もあります。
このような問題解決のために、この森林を里山化して森林資源の活用と発電設備と合わせ一般
開放する方向で2021(令和2)年より活動を開始しています。
ボランティア活動が主ですが、近隣住民や学生など若い層も巻き込んだ活動に輪を広げ、「環境学習」
や「憩いの場」として活用できるように持っていきたいと考えています。
六甲川水車新田小水力発電設備ならびに設置敷地の活用を目指して以下の取り組みを推進します。
@里山林立ち入り者の安全確保
・立ち枯れ木・倒木の除去
・折損枝の撤去
等
A環境学習のための「学びの場」「憩いの場」 作り
・中学校・高等学校向けの環境学習や理科、物理の教材として活用
・一般市民向けに地球温暖化防止に関する学習施設として活用
・遊歩道、広場を整備し、四季折々の自然を体験できる場を提供
等
B伐採樹木の資源化策検討
・丸太については暖炉、キャンプ用の薪として活用
・枝については炭化して土壌改良用の炭として活用
等
連絡先等
団体名:NPO法人PVネット兵庫グローバルサービス
所在地:神戸市灘区篠原北町3丁目9−3
ホームページ: http://pvnethyogo.g2.xrea.com/
Facebook :https://www.facebook.com/pvnet.hyogo
E-Mail : pvnet_hyogo@hera.eonet.ne.jp
H発電設備設置敷地内での里山林整備への取り組み(令和3年度〜)
令和3年度より毎月、里山整備の日を設定し、会員を始め近隣にお住いのボランティアが
参加し、整備活動を継続的に実施しています。
(整備作業)